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最低な元カレ専務の10年愛

8.秘書解任

徳田さんとは、7時に会社のそばで待ち合わせをしていた。

路上駐車だから待たせるわけにはいかない。

…なのにこんな日に限って仕事が終わらずに、時間を確認しながら、ギリギリまで仕事をした。

よりによって明日の午前中に必要になる書類だ。

明日はいつもより早く出勤して仕事をするしかない。


コンコン

専務室をノックする。

「失礼します。
WINのデータ統計の件、明日の朝でもよろしいですか?
9時の会議には間に合わせますので」

「ああ。何か用事か?」

「はい。すみません、お先に失礼します」

何度か頭を下げて部屋を出た。

お化粧直しをしている時間はない。

とにかくカバンを持って、早足で会社の外へと向かう。


外の自販機のそばには、もう徳田さんの物らしき車がハザードランプを点滅させて待っていた。

駆け寄って中を覗くと、徳田さんが気づいて微笑んだ。

ドアを開けて

「すみません、遅くなって…」

「いえ、俺も今来たところですから」

乗り込もうとした瞬間に反対側から腕を引っ張られた。

ハッとして振り返ったら、そこにいたのは翼だった。



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