ケータイ小説 野いちご

この作品のキーワード

最低な元カレ専務の10年愛

6.『最低な元カノ』

新幹線で約2時間。

今日は地元新潟に出張で、午前中は新潟支店へ視察。

午後からは経営セミナーだ、

新潟に来るのはとても久しぶり。

のどかな田園風景は懐かしい気持ちを思い出させる。

翼をちらっと見たら、さっきまでノートパソコンをいじっていたはずの翼も、その風景を目を細めて見ていた。

終点の新潟駅まで着き、そこからタクシーで新潟支店まで移動する。


ある程度視察が終わったら、また書類を片手に経営状況について支店長と話をする。

書類をめくりながら、翼の顔はどんどん曇っていった。

「…紗知、この『F-205』って型のやつ、どのくらい出てるのか本社の営業部に至急確認して」

「はい」

紗知って呼ぶなっつーの!

と思いながら、早速本社と連絡を取り、返事を待つ。

「ここ数か月、『F-205』の他にも受注が落ちている製品がいくつかあるんです。
WINカンパニーという会社が勢いを上げてきていまして…」

「…ここもWINにおされてるのか」

「他支店でもそうなんですか?
元々は工業機器専門の会社だったので、こちらもびっくりしているんですが…」

ここで早速本社営業部から連絡が来た。

さすが、専務からの依頼となると仕事が早い。

「専務、今ほどの件、月を追うごとに受注が減っているようです。
先月は5%減、今月はまだ半ばですが、すでに約6%減になっているそうです」

翼はため息を吐いて書類を閉じた。

「紗知、この前の横浜支社の分も確認して」

「はい」


< 70/ 164 >