ケータイ小説 野いちご

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最低な元カレ専務の10年愛

2.意味わかんない

—————高校に入学して、私はバスケ部のマネージャーになった。

1学年上の翼に告白されたのは、5月に行われた遠征試合のあとだった。

「実は最初から気になってたんだ。
笑顔がかわいくて…マネの仕事も一生懸命で、気が強いところもいいなって」

翼はそう言ってはにかんでいた。

気が強いところがいいなんておかしな人だなあと思ったけど、とても嬉しかった。

私もずっと好きだったから。

バスケをしている時の真剣な顔。

終わった後の無邪気な笑顔。

いつも明るくて、周りにはたくさんの仲間がいて、リーダーシップもあって…

恋というよりも、最初は憧れに近かったかもしれない。

だけど、こんな私のことを翼は好きになってくれた。

整った顔立ちと、常にエースとして活躍していたバスケのテクニック。

翼目当てで体育館に見に来る女子が絶えないくらいにモテていた。

当然やっかみや嫌がらせはあったけど、最後はいつも翼が助けてくれた。

毎日幸せだった。

翼と出会えたことを、神様に感謝しなくちゃって思っていたくらい。

だけど付き合い始めてちょうど1年半が経ったあの日…


『ごめん。俺、来週からアメリカに留学するから。
いつ戻ってこられるかわからないから、別れて』

こともなげに翼はそう言って笑って、呆然とする私に背を向けて去って行った。

ショックが大きすぎて、引っぱたくこともできなかった。

傷つくのが怖くて、引きとめることも、言葉を発することもできなかった。


—————私たちの関係は、何の前触れもなくその日突然切れた—————




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