やっぱり降ってきたのね。
夜の22時前。
思ったよりも遅く、雨は降り始め激しさを増す。

『現在から明日の朝にかけて雨は激しさを増し、雷を伴うでしょう。落雷に注意してください』

私は珈琲を飲みながら天気予報に耳を傾ける。
黒田はお風呂に入っていて、リビングにはいない。
いつも10分もかからないから、もうすぐあがってくるだろう。

ーーキイ…

廊下から扉が開く音がする。
黒田がお風呂からあがったのだろう。

「風呂空いたが入るか」

リビングに現れるなり、黒田はぶっきらぼうにそう言った。

「あ…う、うん!」

私がそう答えると黒田はすぐに階段で2階にあがる。
それを見届けて私は深く息をはいた。

あの会話を聞いてから、どんな顔をして話せばいいかわからない。
昼からずっと心がもやもやしたままだ。

とりあえずお風呂に入る準備をしようかな。