そうこうしている内にでかいお屋敷の前で黒川くんは止まった。


「ここだ。」

「えっ?!こんなにおっきいの?」


日本建築なのは分かるけど、それにしても大きすぎる!
門から玄関まで距離が結構ある。


「じょ、冗談だよね?」

「なんで冗談言わなきゃならねーんだよ。」

「ですよね…」


唖然としている私を置いてズカズカ中に入っていく黒川くん。


「まってよ!勝手にはいっていいの?! 」

「まあ、大丈夫だろ。」


不安に思いながらも黒川くんの後ろをついて行く。
玄関を入って正面に綺麗な女の人の写真が飾ってあった。


「わぁ!綺麗なひとだなあ。」

「月下、置いてくぞ。」

「あぁ!ごめん、待ってよ。」


それにしてもあの女の人どっかで見たような気がする。


「あの~!すいません。勝手に入られては困り
まする。」

「あっ!えっと、すいません。あの、私たち
…。」

「黒川涼だ。白に用がある。」

「黒様でございましたか。大変失礼致しました
。少し見ない間に大変ご立派になられて。
お茶をお持ち致しますのでどうぞごゆっくり
。」


そう言うと家の使いの人は部屋の奥へ入っていった。


「黒様って黒川くんのこと?」

「まあな。ついたぞ、ここがあいつの部屋」


と言いながら襖を開けた。


「お、お邪魔します。」