「あたしと明日汰、部活だから抜けるね!あとお願い!」


「頼んだぞ!」



日奈子と明日汰が走って教室から出ていく。

季節は7月。
来週に迫った学校祭の準備をいましているところ。

あたしと永人が嘘の恋人関係を解消して、2ヶ月。
まわりと気まずくなるのは嫌だからということで、いままで通り、4人で一緒にいる。

……二人で過ごすことはまったくなくなったけど。

だから、いま。
4人割り当てられていた看板作りに希望したことを後悔してる。



「……」


「……」



4人一緒にいるときも、あまり永人のことは見ないようにしていた。
だから、二人きりになるこの状況は正直キツい。



「あたし、ペンキ足してくるね……」



沈黙に耐えれなくなって、ペンキの入った容器を持って立ちあがる。

……まだ、足りなくなってないけど。
二人きりの空間に耐えるには、覚悟が必要だった。

だから、1度永人から離れる。