「学校行きたくない……」



目が覚めたあたしの第一声。



「ごちゃごちゃ言ってないではやく準備しなよ！」



親友からくらうカバンでの頭突き。



「日奈子（ひなこ）……なんでここに？」


「なんでってあんたがうじうじうるさいから昨日はあんたの部屋に泊まったでしょ！」


「あぁ……」




仕方なく、洗面台に向かって身支度を始める。



あたし、草野千花（くさのちか）
今日から高校２年生。

そして、親友の鳥海日奈子（とりうみひなこ）
中学からの大親友。



「日奈子やたら気合い入ってない？」



制服を身にまといながら、横目で日奈子を見る。



「だって、今日からはいままでと違うんだよ！？」


「はぁ……」


「なによ、その気のない返事は！男の子と話せばあんたのその男嫌いもよくなるって！」



バンっとあたしの背中を叩く。



「……っ、できれば関わりたくない」


「もう昔の話でしょ？いまは小学生の頃とは違うよ？」


「わかってる……でも……」



昔はこんなんじゃなかったし、好きな人だっていた。