「結城(ゆうき)さん、ごめんね。あなた申し込みがギリギリで相部屋しか用意できなかったの」



困ったような顔をして、あたしの前で両手を合わせてる綺麗な女性。



「大丈夫ですよ!締切過ぎたのに許可してくれて感謝してるんです!」



担当の東野(とうの)さんの手を固く握る。


ここは、免許取得合宿の宿泊施設の前。
今日から最短で17日、お世話になる施設だ。


あたし、結城瞳(ゆうきひとみ)。
18歳になって、すぐに免許をとりたかったから誕生日がきた夏休みにこうして合宿にきてる。

過保護なお父さんが許してくれなくて、説得に時間がかかったから締切を過ぎちゃって本当に申し訳ないことをした。



「結城さん、部屋はここなの。で、ルームシェアしてもらう相手がね……「来たんだ」



東野さんの言葉を遮るように扉があいて、中から出てきたのは男の子。



「……え?」



なんで、あたしが住むはずの部屋から男の子が出てくるの?