ケータイ小説 野いちご

エンドレスおままごと。

おしまい








「俺、お前の不倫相手にされんの?」



ある放課後、ミシマと一緒にいたのは国道沿いのカフェ。


ブレンドを口にしたミシマは、怪訝そうな顔でわたしを見つめた。



「違うよバカ! しかも言葉間違ってる!」


「だって夫婦でしょ?」



子ども連れのママさん軍団やおばあちゃんおじいちゃんでにぎわう店内で。


カフェオレに砂糖をたっぷり入れながら、わたしは答えた。



「ううん。同棲してるカップルだよ」



ふーん? と軽く首をかしげるミシマ。


ただ、何かに気がついたようで、わたしの左手をチラ見した後、じっと目を見つめてきた。



きっと、これから忙しくなる。


指輪は汚さないように、そして邪魔にならないように、部屋の中に大事にしまうことにした。



「それよりごめんね。受験勉強忙しいのに」


「別に。で、なんの用?」


「ミシマにも報告したくて。進路のこと……」


「俺ケーキ頼むわ」



人が真剣に話そうとしているのに、ミシマはメニューに集中しだした。



「あのさぁ、真面目な話なんだけど」


「……俺にもチャンスがまだあるってこと?」



「え。なんて?」



見開きのメニューによって彼の声がさえぎられたため、そう聞き返すと。



「お前を超せるチャンスがまだあるってこと? って言った」


と、ミシマは珍しく強い口調で言った。



いやいやミシマの方が才能あるってば。しかもわたしブランクあるし。


と思ったけど、


「えへへ、そうだよ~」と、彼の言葉に笑顔で応えておいた。



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