ケータイ小説 野いちご

エンドレスおままごと。

ひとつ








夏が終わり、高校最後の文化祭の季節がやってきた。



お好み焼き、焼きそば、クレープ、という文字に×がつけられ、たこ焼きの4文字が大きな丸で囲まれる。



「じゃあうちのクラスはたこ焼きに決定しまーす。みんなやりたい仕事のとこに名前を書いていってくださーい。多いとこは調整するんで」



文化祭委員がそう言い終えると同時に、ガタン、ガタン、と椅子の音が重なった。


わいわいと楽しそうな男女の間をすり抜け、わたしも黒板へと向かった。



うーん。どの係になろうかな。


調理係だと買い出し行ったり試作品作ったりで、夜遅くなっちゃうかも。


販売係はテンション高い人多いし、疲れて家でご飯作る体力なくなりそう。



というわけで。


設営係、の文字の下に『中川よねこ』と自分の名前を書いた。


すると、すぐ隣に『三島和成』という文字が並んだ。



「……げ。一緒? なんで?」


「こういうのは元美術部の仕事じゃん」



ぼそりと放たれた彼――ミシマの言葉は、クラスメイト達のボリューム高い声たちにかき消された。


……ということにしておいた。




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