ケータイ小説 野いちご

エンドレスおままごと。

みっつ








やばいやばい、色塗りに夢中になってた。そろそろ帰らなきゃ。



手にしたバケツに入っているのは、いろんな色が混ぜ込まれて濁った水。


こぼさないよう気をつけながらも、走って手洗い場に運んでいた、


その時――



「わわっ!」


「キャッ!」



トイレから出てきた女子軍団にぶつかりそうになった。



うねりをあげた水面は、バケツからあふれだし飛沫となる。


そのまま、びちゃーんと廊下に勢いよく水をばらまいてしまった。


彼女たちにはぶっかけずにすんだけど。



「ごめん! 大丈夫? かかってないよね?」



慌てて彼女たちに向けて謝る。


うわぁ。よりにもよって、いい噂を聞かない女子たちだ。



「うわ、汚っ」「これ制服かかったらマジだるいやつじゃん」


「危ないよー。ちゃんと前見なよ」



女子たちは順番に怪訝そうな顔でわたしを見た後、廊下の色水だまりを踏まないよう去っていった。



「あいつ浮かれすぎなんじゃね?」「卒業したら専業主婦だって」「うわ、それマジ人生イージーモードじゃん?」「うちは結婚とかまだムリ。遊びたいしー」「うっそ、あたしは早く主婦なりたーい。働きたくないじゃーん」



クスクスとした笑い声とともに、そんな話をしながら。



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