それは4度目の席替え。
私の前には中学で初めて友達になった女の子。
その隣には私が後に恋をするあなたが居た。
「自分は人見知りだ」と言っておきながら全然人見知りじゃないあなた。
とても、気軽に話してくれて、凄く楽しかった。

それから、中学の60周年式典があった。
たまたま、あなたの隣が私だった。
合唱部で校歌の合唱を舞台で歌い、恥ずかしいと思いながら自分の椅子に帰ってきた時、あなたは「良かったよ」とニコニコしながら言ってくれた。
考えてみればその笑顔に惹かれたのかもしれない。

それからの毎日は本当に楽しかった。
理科で、反射の実験があった。
遠慮して隣りから覗いていた私にあなたは「そっちからじゃ見えないよ。こっちから見なきゃ」と言って私の腕を引っ張ってくれた。心臓が止まりそうなくらい高鳴っていた。
給食の時間、あなたは「有香(わたし)と莉奈(同じ班の友達)どっちが可愛い」って、同じ班の男子に聞いた。
案の定、同じ班の男子は戸惑って「じゃあ、惟恩(あなた)はどうなの??」って聞いてたけど。あなたの答えはとんでもない爆弾だった。

「もちろん有香だよ。ちょー可愛いじゃん」

え、ばかなの?私はあなたが好きなのに。
顔なんて上げられない。そのままスープに顔を入れたかった。

また、別の日の給食の時間、これまた不意に爆弾を落として来た。

「有香、2人でディズニー行こーデートしよー」

え、なんなの??私の気持ち分かってる??
でも、私は動揺してノリで答えることが出来なかった。
「馬鹿じゃないの、行かないよ」
本当に後悔してる。なんで、あんな言い方しかできなかったんだろうって、、、