「ずっと、入学した時から、ほんとに、悠人が好きだよ!」


話したことのない女子に呼び捨てにされ、入学式からずっと見られていた。そう思うと、背筋を冷たい汗がつつつっと滑り落ちていくのが分かった。

「ごめん。俺今そういうのいいんだ。」

一言残して俺はその女子に背を向ける。すすり泣くような声が聞こえたけれど振り向かなかった。


あの時の彼女と同じように。