ケータイ小説 野いちご

花魁通りの姫様は

出会い

何日かたった日うちは先生にもう退院しても大丈夫だと言われた。
うちは親のことも忘れてしまったみたいだし、ヤクザに会うなんて危ないことに巻き込まれそうだから誰にも連絡せず逃げるようにして病院を去った。


自分が覚えてる人なんていないから知っている人が誰もいない東京で1からやり直そうと思った。


でもやはり病み上がりの体にはキツかったらしい。
駅を出てすこし住宅街を歩いているとふらふらとしてきて足元がおぼつかなくなった。

うぅ、気持ち悪い…。…あれ?地面が近くなってくるような。

「おい、お前大丈夫かよ」

あ、支えてくれた

「…だれ?」

支えてくれたのはいいけどこの人誰だろう。
でも、助けてくれたからお礼言わなきゃ。

「あ、あの支えてくれてありがとうございます。」
「おう。つかお前、フラフラだけど大丈夫か」

めっちゃ心配してくれる。いい人だ。優しいし、かっこいいし…
モテるんだろうなあ…

「おい、なに考え込んでる」
「あ、すみません。かっこいい人なのでモテるだろうなって、」

あれ?赤くなっちゃった。まあ、いいや。
うぅ、なんかどんどん具合が悪くなってく気がする…

「お前、その格好見ると帰るとこなさそうだな?」
「俺らの倉庫に来いよ」

え、いいのかな。でも迷惑かかっちゃう。
そんなこと思ってたら男の人は面倒見てやるから来いよ、と言ったきた。

やっぱ優しい。しかもこの人なんか安心する…

うちはそう思うと意識を手放していた。


鎌side

見回りめんどくせえな。早く終わらせるか。
あ?なんだあの女。すんげーフラフラしてんじゃねーか。って、倒れそうじゃねーかよ。

「おい、お前大丈夫かよ。」
「…だれ?」

誰ってこっちからすればお前が誰だよ。
あ、ちゃんとありがとう言える奴だ。

何を考え込んでるのかと聞けばかっこよくてモテそうだと言ってきた。

うわ、よくそんなこと普通に言えるよな。
恥ずかしいじゃねーかよ。

こいつ熱あるじゃねーか。しかもよく見れば家がなさそうだな。まだ肌寒いっつーのにすんげー薄着だし。

「俺らの倉庫に来いよ」

そう伝えるとこいつは安心したような顔で意識を手放した。

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