唯月side

倉庫につき鬼姫の下っ端たちへの挨拶もほどほどに幹部室を目指した。

勢いよく扉を開けるとそこには変わらないあいつがいた。

「ち、ひろ…?本当に千尋なのか…?」

「久しぶり唯月。いなくなってごめんね。」

周りを見ると鬼姫の幹部もいて、中には泣いてるやつもいた。

武流は千尋を見ると泣きながら抱きついていた。

「ちひろぉぉぉぉ!今までどこいたの…グズッ」

「ふふ、ごめんね?」

千尋だ。
紛れもない本物の千尋だ。

「ちひろ…」

「唯月。」

千尋は俺の名前を呼ぶと近づいてきて抱きついてきた。

前はこんなこと自分からしてくれなかったのに。

「いなくなってごめんなさい。」

「いいんだ。また戻ってきてくれたから。」

理由はやっぱ聞かないでおこう。

千尋が帰ってきてくれただけで嬉しいから…