今日はめんどくさかったから学校をサボった
それを知った苺もサボるらしく倉庫に来て一緒にゴロゴロしていた。
そういえば苺になんで総長って教えてくれなかったの?って聞いたら
「あれ?言ってなかった?忘れてたわ」
なんて言われた。
なんかもう呆れて、あ、そう。って感じになっちゃったw
それで今うちは本を読んでて苺は一緒にサボった鎌と総長会でのことを話してた。
うち実は読書も趣味のひとつなんだよね。
昔の記憶は所々ないけど退院したときに持ってきたカバンに入ってたこの本は覚えている
すごい好きな話で何回も読み直したことも覚えてる。
でもそのときのうちの近くにいた人たちはどうしても思い出せない。
顔と名前がどうしても出てこない。
でも大切な人達っていうのはなんかわかる。
雰囲気っていうの?体が覚えてるってゆうか…
とりあえずなんかわかるんだよね。
でもこの記憶のないことは鎌たちにはまだ言ってない。
言ったら心配かけちゃうし病院の先生にも言われたけど思い出したら思い出す前の生活を忘れちゃうかもしれないんだって。
そんなの嫌じゃん?
今過ごしてる生活も大切な時間なのに…
そんなことを考えながら本をペラペラめくってたら何かが挟まっているページがあった。
そこを見ると指輪が挟まっていた。
ピンキーリングっていうやつ?
でも誰のだろ。誰かが挟めたのかな。
それを持ってまじまじと見ていたら頭の中に昔のやつっぽい記憶が流れてきた。
『千尋。安物だけどこれやるよ。大切にしてくれるか?』
『ありがとう!〇〇!大好き!』
『お前らラブラブだな~』
『本当ですよ。暑苦しいくらいです。』
だれ…?喋ってる人達の顔が見えない。名前にノイズがかかってるみたいでわからない。
大好き…?私はこの人がすき、なの…?
うっ、頭が痛い…
やっぱり思い出そうとすると頭が痛くなる
「どうしたの?ちひろ。」
いちご…
「あ?なんだその指輪」
「ん、あ、これは、その。…無くしてたやつ。見つかってよかったぁ~…」
そう言うと鎌は疑うような目で見てきた。
「頭いたそうだけど大丈夫?」
「ん、大丈夫。ちょっと寝不足なだけ」
苺にも感ずかれちゃだめだ。
心配かけちゃう。
「ちょっと眠いから自分の部屋行くね?」
「「わかった。」」
2人に微笑んで自分の部屋に行くことにした。
部屋に行きベッドに横になる。
「はぁ…。」
指輪を小指にはめてみる。
やっぱりぴったりだ。
「もう、誰なのよ…。私の大切な人って誰…」
そう思いながらゆっくりと瞼を閉じると意識は闇の中に溶けていった。