午後3時半前。





想定外のトラブルに巻き込まれたけど、なんとか無事におばあちゃんの家にたどり着いた。


家の前で、深呼吸をする。




ここに、“彼”がいる。


やっと、会える。



ちょっとの緊張と、興奮と、それから……。


それから、

泣きそうなくらいの愛おしさ。




抑えられないドキドキを落ち着かせることができないまま、インターホンを鳴らした。


中から「はーい」と声がして、玄関の扉が開かれる。



「おやまあ、千果ちゃんじゃないか」


「久し振り、おばあちゃん!」



あたしを出迎えてくれたおばあちゃんに、ギュッと勢いよく抱きついた。