夏休み最終日。






その日もあたしは、無理やりお兄ちゃんについていき、双雷のたまり場に来ていた。




あたしと双雷のギスギスしていた関係は、あたしが誘拐されたあの日を堺に、良好に築き直している。


今のところ、双雷から見たあたしは、常連の客、といったところだろうか。




現在は、お兄ちゃんに許可をもらい、2階にある幹部室と呼ばれる部屋にお邪魔している。



幹部室とは、その名のとおり、幹部以上……つまり総長・副総長・幹部の役職の者のみが出入りできる部屋のことだ。




2階は幹部以上しか立ち入ることはできないルールらしいのだが。


1階のホールでうろちょろされても、下っ端たちが迷惑するだろうということで、特別に許可が下りた。



まあ、実際は、あたしが「お兄ちゃんのそばにいたい!」ってタダをこね、押して押して押しまくって、なんとか許可をもらったせいもある。



少々比喩を使って簡単に言えば、妹の特権、ってやつだ。