「せ、ん、ぱ〜〜〜いっ!!!」






だんだん涼しくなって来た今日この頃。

夏服に黒いカーディガンを着て、廊下を歩いている先輩の背中に向かって大きく名前を呼ぶ私。



私の片手には数学の答案用紙。


どうしても先輩に早く報告したかった。




だから私、3年の教室の階まで猛ダッシュしたんですよ?


昼休みは長いようであっという間ですからね!



……な、の、に!!!





「そのあからさまに"げっ"て思ってる顔!ひどくないですか!?」


「うるせぇ…」





購買の袋片手に眉を寄せて面倒くさそうな顔


…でも、やっぱりそんな顔をステキなんですっ




「で?何の用?」




そう言ってきた先輩にムフフっと笑った