「こちらが神田修二さん」
「初めまして。娘の一沙です」

…結局、母親の恋人と会うことになってしまった。
全く気が進まなかったけれど、実際に会ってみたら意外とちゃんとしてる人で驚いた。
というか、今までの男が酷すぎたのかも?

神田修二、42歳。
バツイチだけど有名企業に勤めているらしい。
母親としても逃したくない相手だろう。


「いつも話で聞いてるけど、想像通り優しいお嬢さんだね」

母親が彼氏に私の話をしている?
そのこと自体がとても信じられない。
母親は基本的に娘より自分優先の人だ。

「恵子さんに似て美人さんだし」
「やだー、修二さんたら!でも本当に自慢の娘なの」

ああ、そういうことか。