「ちょっとちょっと！　どういうこと!?　どうして私に教えてくれなかったのよ！　月曜日に例の彼がうちの病院にきて、今日食事に行くってことを!!」


金曜日の昼休み。休憩時間が合い、朋子と食堂へ向かう途中から彼女は声のボリュームを抑えながらも、目を吊り上げ私に抗議してきた。

「朋子、いったん落ち着いて……」

廊下には患者さんや病院関係者とたくさんすれ違う。こんなところで話せるわけがない。けれど、朋子は落ち着く様子はなく、ヒートアップさせていく。


「これが落ち着いていられるわけないでしょ!?　噂で聞いてびっくりよ！」

「ご、ごめん……」

謝るものの、こんな風に詰め寄られいろいろ聞かれると思ったから言えずにいたんだ。

それに朋子に復讐を提案され断った手前、言いづらかったし。事後報告でいいかと……。


私はお弁当を持参してきたけれど、朋子は院内に入っているコンビニでサンドイッチと珈琲を購入し、イートインスペースのテーブルに向かい合って座った。

すると早速本題を切り出した。

「それでそれで!?　なにがどうなって食事に行くことになったの？」

朋子の目は輝いていて、興味深々。