…二人でお互いの想いを言い合って、重かった気持ちは軽くはなった。

…でも、不安は消えてはいない。

宗吾の言葉を信じることはできても、凛花の今後の行動に目が離せない。

自分とは対照的な凛花。

ごくごく一般人の私。

社長令嬢の凛花。

…宗吾のこれからの人生を考えると、やはり、自分は足枷にしかならない。

それは重々わかっているのに。

傍にいたいという気持ちが勝ってしまって。

…仕事を済ませた私は、平日にも関わらず、澪のbarに行った。

「…珍しいね、平日に葉瑠さんが来るなんて」
「…今日は定休日?closeの札がかかってたんだけど」

不安な顔で問いかけると、澪は優しく微笑んだ。

「…定休日だけど、いいよ。葉瑠さんは常連さんだろ?特別。ほら、座って。あ、特別ついでにいいものあげるよ」

そう言うと、カクテルを作り始めた。