「…起きて、宗吾さん。朝食ができたわよ」

私のベッドの上で、宗吾がスヤスヤ眠っているのを、優しく起こしてそう言った。

両親に会って以来、週末は、私の家と、宗吾の家を、交互に泊まりあうようになった。

抱き合う事もあれば、ただ、お互いの体温を確かめあうように、抱き締めあって眠ることもあった。

休みの日でも、早めに起きて、活動し始める私。

それとは対照的な宗吾は、いつまでも寝ている。

私は少しでも健康になればと、宗吾を同じ時間に起こして、朝食を食べさせる。

「…葉瑠は休みの日も早起きだな」

あくびをしながらそう言った宗吾は、キッチンにたつ私を後ろから抱き締めた。

「…おはよ。規則正しく生活する方が、元気でいられるもの」

私の答えに、宗吾クスッと笑った。

「…何が可笑しいの?」

拗ねたように言う私の頬に、触れるだけのキスをした宗吾は、こう言った。

「…葉瑠らしいなと思っただけ。俺も、最近は体の調子がいいよ。おかげで、仕事の効率も上がった。葉瑠のおかけだな」

「…おだてたって何も出ません」

私の答えに、宗吾はまた、クスッと笑った。