総務部のお局様とは、私のことよ。

「…また貴女なの、鈴木さん?」

間違いだらけの書類を彼女のデスクに置いて、睨む。

「…ぁ、すみませーん、沢山仕事があってぇ」

語尾を伸ばす新人女子社員に、イライラする。

「…今すぐやり直して!」
「…はーい」

オフィス内に、私の低い怒声が響き渡るが、鈴木さんは全く知らん顔で、へらへらしている。

周りは、長い黒髪を一つに束ね、黒縁眼鏡をかけた、お局様の私と目を合わせないようにビクビクしている。

「…部長、頼まれた書類置いておきます」
「…ぁ、あぁ、ありがとう」

部長ですら、私を怖がる始末。

もぅ、やってらんない。