稚己side
よく分からないけど、あのデパートに出掛けた日から毎日のように…
「ねぇ、稚己ちゃん。遥斗と付き合ってんの?」
「付き合ってないです。」
遥斗の友達が遊びに来ています。
金髪で怖そうな人が涼太さん。
黒髪で優しそうな人が啓悟さん。
茶髪でロングヘアの女の子が真奈さん。
って…、皆同じ年なのになんで私だけこんなに腰低いんだろ。
「稚己ちゃんって言うんだよね?可愛い!」
「あ、ありがとうございます。」
可愛いなんて言われ慣れてないから、照れてしまう…。
「照れてる?そこも可愛いね!」
涼太さん…どこからそんなお世辞がポンポンと出てくるのやら…。
「おい、涼太!辞めとけ、後ろ…。」
「ひぃ!!」
ブラックなオーラを放っている遥斗が、私の直ぐ後ろで仁王立ち。
「ちょっと涼太くん来てくれるかな?」
遥斗がそう言うと、土下座を何回も繰り返す涼太さん。
「フフッ。」
思わず笑みがもれる。