遥斗side
アレはずるい…。
今日昼間に、デパートへ連れて行ってやった。
うっとおしく伸びた髪の毛を、姉の香織に頼んで可愛くしてもらった。
そこまではいいんだ。
「稚己…笑えたんだ。」
そーゆーこと。
確かにすごく可愛くなった。
腰まで伸びた髪は胸くらいまでにしてもらい、目が隠れていた前髪もオン眉になっていて…the女って感じがした。
そして何故か頼んでもない化粧や髪の毛を巻いてたり…。
可愛くてドキドキした
なのに…凄く悔しかった。
変な気持ちが俺の心をモヤモヤさせる。
お風呂から出ると、稚己の姿を自然と探す。
今日の可愛い稚己のまま、白いエプロンを身につけ料理をしている。
そして、近づくにつれて聞こえてるくる可愛い鼻歌。
それだけで俺の心臓はモヤを消し、トクトクと鼓動をあげる。