ケータイ小説 野いちご

幕末にタイムスリップさせられました!?参〜新選組と殺し屋の僕〜

伊東 甲子太郎
大切なもの

ー土方 歳三ー


誠の機転のおかげで無事宴が終わって、俺と誠以外の隊士全員が酒で潰れた。

大広間では、酒の匂いと涎を垂らしながら寝る隊士で溢れかえっている。

はぁ。これじゃあ今日頼むはずだった任務に誰も参加できそうにねぇな。

誠は痛めた肩の包帯を俺の隣で替えようとしてるし…………って、はぁ!!?

なんでこんなところで包帯なんか替えてやがんだよ!!

てか、その包帯どっから出した!!

お前は武士じゃなくて手品師かなんかか!


「……あの、土方さん。別に見るのは良いんだけどさ、少しぐらい遠慮してくれない?まぁ、土方さんが小さい胸を好きなのは仕方のないこ」


「だから!俺はでかい胸の方が好きだって言ってんだろうが!てかお前、その包帯どっから出した!!」


「どこって、懐からに決まってるでしょ。何があっても良いように、懐に包帯を忍ばせておくのは基本だよ。」


いや、そんな当たり前な顔して言われても知らねぇし。

武士で懐に包帯忍ばせてるの、多分お前だけだぞ。


「……っ!あー!やっぱり届かない!土方さん、悪いけど山崎さんから貰ったこの薬、背中側になってくれない?前は届くんだけど、後ろはちょっと届かなくて。」


「あっ、あぁ。それじゃあ後ろ向け。」


俺は紙に適量分入った塗り薬を受け取ると、その塗り薬を人差し指に塗った。

薬草独特の少し苦いような匂いは、俺に実家のことを思い出させる。


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