ケータイ小説 野いちご

幕末にタイムスリップさせられました!?参〜新選組と殺し屋の僕〜

伊東 甲子太郎
怖い

下田さんが死んだ悲しみがまだ屯所内を包んでいた夕刻頃。

山南さんに呼ばれた僕は、井戸で顔を洗うのをやめ、山南さんと一緒に総長室に入った。

山南さんの部屋にはこれでもかと言うくらいの本が積み上げられており、その部屋はお世辞にも綺麗とは言えない。


「誠君。私の本をぼーっと見ていないで、どうぞそこに座ってください。本なら後で幾らでも貸してあげますから。」


えっ、いや、あの、そういう目的で本を見てたわけじゃないんだけど……まぁ、いっか。

僕、元々本好きだから読めるのは単純に嬉しいし。

まぁ、今の時代の本を僕が読めるのかが問題なんだけどね。

僕が山南さんの指示通りにその場に座ると、山南さんは真剣な瞳で僕の顔を見た。

そしてその瞳が、僕の心を読もうとしていることが僕には容易に分かる。

まぁ、今の僕の心を読まれてもどうってことないけどね。

どうせここにいる人達、いや世界中の人達に僕の心なんて読めるはずないんだから。


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