色気を出してみる作戦を実行していたものの、イケメン3兄弟に特に目立った変化はなく……



強いていえば、葵くんが積極的になったというか、話しかけてくることやボディータッチが増えた気がする。



本当にそれくらい。



毎年楽しいはずのゴールデンウィークという名の大連休も、雅さんには冷たくあしらわれ、蓮くんからは毒舌の嵐……



葵くんからはどこか憎めない可愛らしい笑顔の嵐。



いつもと変わらない時間を過ごしていた。



そうして気づけばもう、五月半ば。



私がここに住み続けられるのも、このままだとあと2ヶ月ほど。



……どうしよう



本当に私、ホームレス?



バイトに明け暮れながら、貯金を切り崩してどこか物件を探して住むしかないか。



反応には困るけど優しい葵くんを除くふたりには、この生活に慣れてきた今も歓迎されていないみたいだしね。



「はぁ……」



どこか諦めかけていた、その時だった。