またあの夢だ。
 
 11月になってからほぼ毎日見る夢。

 目の前には黄色いイチョウの木。
 
 その木の根元にいる小さな子。

 こちらに背を向けている。

 近づいていくと、顔だけを向けて振り向いた。

 男の子だ。

 その顔には見覚えはない。

 その子が目を伏せた瞬間、突然風が吹いた。

 イチョウの葉が一斉に散り、男の子を隠してしまう。

 風が止まった後のそこには、誰もいなかった。

 あの夢に何の意味があるのだろう。

 そして、あの場所は?

 あの男の子は?