「あの…。」 お弁当箱を手に握りしめる。 声が乾いてなかなか音が出てこない。 ちらっと目線を上げると、窓に寄りかかった悠が大きく頷いた。 「あのっ。」 少し声を大きくする。 すると女子たちがお弁当を食べると手を止めて、驚いたようにわたしを見上げてくる。 「えっと…。」 どきどきして言葉が出てこない。 今までずっと避けてきたのに、今更感が半端ない。 「ん?」 みんな、なんだろう、という興味津々の表情で見つめてくる。