【伊月side】

全身の血が引く。とはまさにこの事
きっと今、自分は顔色が悪いのだろう

慌てて姫川さんが歩いて行った方角に、走ろうとするが、





「待てって伊月」



「っっっ、ゆ…づ、き」


頭が未だ追い付かない。

何故あの時「付いていく」と言わなかった?気が緩んでいたのか、リュウと一触即発な状況の中、俺はっっっ




「落ち着けって、何があったんだよ」


軽く背中を叩かれ我に返れば、佑月が廊下に看板を立て掛けながら静かに仮面を外す姿が視野に入った

最近はやたら面を被りたがっていたからか、違和感しか感じない中、





捲し立てるように一部始終を話した。


「で、今、その一階に姫川が行っちゃった。と」







なんつータイミングの悪さだよ。と、悪態を付きながら、乱暴に頭を掻き、


そして、息を吐くと同時に、



「伊月、お前が覇王を呼んでこい」



「は?」



「何人で来てるか分かんねぇからな、」









いや、じゃなくて。普通逆だろ


と、言いかけた俺を佑月が諭す





「今、お前に何かあったら冗談になんねぇからさ、」