学校に着くと始業時間ギリギリ。
なんとかチャイムが鳴る前に教室の扉を開けることができた。


ガタンと席に着くと。



「今日も旦那と仲良く登校お疲れー」

「あのね、そう言うの華だけだからね!?」


わたしの隣の席に座る笠原華(かさはら はな)がいつものように茶化してきた。


華は、中学から同じでわたしと知紘のことをよく知るひとり。


昔から華はわたしと知紘のことを夫婦だとか茶化すのが大好き。


ほら、名字が一緒だから。



「だって、名字一緒じゃん?」

「読み方違うし!」


知ってるくせに!!


「いやー、朝からお熱いねー」

手でパタパタとわたしの方を仰ぐ。
うん、華さん完全にバカにしてますね?


「熱いなら下敷きどうぞ!」

「ほらー、そんなプリプリ怒らないの」


「ふんっ、もう華なんて知らない!」

「ははっ、やっぱり美依はいじりがいがあるね」


こうやって、華に茶化されるのも日課。