幼なじみから彼女に変わっても、わたしの朝はいつもと変わらない。

急いで身支度を済ませてドタバタと自分の家を出て、隣の知紘の家に向かう。


「ちひろ!起きて!」


また騒がしい朝が戻って来た。
こうやって毎朝知紘を起こしに来て、遅刻ギリギリで家を出る、そんな騒がしい朝が。


カーテンをシャッと開けて部屋の中に光を入れる。


これだけバタバタとしてるのに、肝心の知紘は起きる気配が見えない。


「起きないと遅刻するよ!」


いつもみたいにベッドに近づいて声をかけるけど起きてくれない。


だから


「知紘ってば!」


スヤスヤ眠る知紘のベッドの上に身を乗り出して知紘の身体を揺すって起こす。


これだけ呼んでるのに起きないってどんだけ眠りが深いんだろう?