薄暗く、狭い部屋の中。


1人の少女の息遣いだけが聞こえてきていた。


そっと近づいて見てみると、少女の顔が鮮明に浮かび上がって来る。


少女は手にスマホを握りしめていて、その光を浴びているようだった。


少女の視線はジッとスマホに向かったままで、少しもブレない。


画面を見つめている瞳が大きく見開かれ、ちいさな口がポカンと開いていく。


画面上の砂嵐のような動画が、少女の瞳に映り込んでいた。


しかし、瞳の中画の映像ではそれがなにか把握することはできなかった。


やがて少女は恐怖で表情を歪め、大きな悲鳴を上げたのだった。