────パチッ


「お〜」


電気のスイッチを押す音が聞こえると、パッと目の前が明るくなって、そこには茶色と白を基調としたシンプルな家具がいくつかあった。


「間抜け面で人の家ジロジロ見るな」



スッキリしてるのにすごくお洒落なリビングをぼーっと眺めていると、すぐ柏場に注意された。


間抜け面とか…いちいち一言多いよなぁ。


荷物だって、スーパーまでの帰り道一度も持ってくれなかったし。


まぁ、いいんだけど。



「っていうか、柏場くん本当になんでもいいの?」


ハッと顔を上げてそう聞くと、ここの住人はリビングのソファで寝転がっていた。



「お前が腹減ったってうるせんだろ。好きなもん作れば」



「…は〜い」



この人は、人とか食にもっと興味とかないんだろうか。



もうこれ以上お前に付き合うのはごめんだ、ってオーラ全開の柏場くんに


「キッチンお借りしまーす」と小さく声を出してから、



スーパーのレジ袋から、買った材料を取り出した。