4月1日 彼が死んだ 。

突然突っ込んできた車によって



死んだはずなのに。

何故か私は悲しめない。


何故かって…?

それはね




現在 私の部屋のベッドの上に

死んだはずの彼がいるから。


ね? 悲しめなくなっちゃう でしょ…?



うーん…それにしても何でいるんだろう。



それは1時間前に遡る 。

私は 彼が亡くなったことを知り

絶望していた ずっと泣いていた。

なのに部屋に戻ったら

「 あ、蒼!!おかえり~なんか幽霊になっててさ~」なんて

いつも通りの笑顔で、そんな事を言うものだから

思わず殴ろうとした。


だが、さすがは " 幽霊 " だけあって

朝陽の体には 触れられなかった。

「 あ… 朝陽…体が… 」

私が戸惑いながら言うと

「 蒼…大丈夫だから 俺が死んで蒼が悲しんでくれるなんて幸せだな~」

と私が流してる涙を拭おうとしてくれる。

「 朝陽のばーか 」


朝陽にはいつも素直になれない。

でも 朝陽はいつも私に笑いかけてくれる。



「で、いつになったらいなくなるの?」

なんてまた可愛くないことを言う私。


「 未練がなくなったらかな 」


その言葉に続き

「 俺は二つ未練があるんだ。

それと一つの未練はもう終わってる。

だから体が最初より透けてるんだと思う。」

と言う。

「一つの未練って?」

「 蒼に会うこと 」

「 なにそれ もっとちゃんとしたの考えたらいいのに…」

「 いいんだよ だって会いたかったし 。」

私は赤面になりながら 慌てて何か言わなきゃと思い

「 ふ…っ二つ目は?」 と聞く。

すると 朝陽は悲しそうな顔をする。

「そうだなぁ…」と呟きながら

何か考えていた

「あ、二つ目は 蒼と出かけること!!」

「…えっ…それってデート…っ!?!?」

いきなり恥ずかしくなり無理無理という私に

朝陽が真っ直ぐな目で言った



「 最後のお願いだから 」



あ…私何やってるんだろう。

朝陽がずっとここにいられる訳じゃないのに


私は

「…うんいいよ」と答えるしかなかった。