楽しかった夏休みもあっという間に終わり、季節が秋に移り変わるのと共にキャンパスライフが始まった。



「ねぇねぇ。千夏はさぁ、もう持田さんとヤったの?」

「ぶっ……!」



いつものように真弓と食堂で昼食をとっていた千夏は、いきなりの真弓の問い掛けに口に含んでいたものを噴き出した。




「動揺してるって事はもうしたってこと!?」



千夏は口元を拭いながら首を横に振った。




「え?まだなの!?あんなにお泊まりしてるのに!?」

「うん…。一回そういう雰囲気になったんだけど私が拒んじゃって…。そしたら翼、何もしてこなくなっちゃったんだよね」

「拒む?なんで!?」



真弓が千夏を見ると、千夏は俯いた。




「…もしかして、まだアイツとの事引きずってるの?」


千夏は頷く。




「まぁ仕方ないか。最低な事されたんだもんね。…でも千夏?持田さんはアイツじゃないんだよ」


「わかってるよ。私だって翼を拒んだりしたくなかった。…でもダメ。今はまだ…思い出しちゃうから」



千夏は小さく溜め息を吐くと、ランチを食べ始めた。


そんな千夏を心配そうに見つめる真弓。