「……」

輸血用パックの血液を飲みながら、日差し差し込む窓の傍で、ルナは読書をしている。

穏やかな、冬の昼下がり。

「……」

そんな彼女を見ながら、蛮は少し気になる事があった。

「ルナは、タイマントーナメントのダメージはなかったのかい?」

「…うん…なかった」

ルナは頷く。

ティーダとの1回戦、彼はルナを気遣ってまともな攻撃は殆どしていない。

大会の為にと温存してきた魔力も、殆ど減らないままに出番が終わってしまった。

「残念…流石に私も、龍一郎やティーダやすず先生を傷付けるのは気が引ける…」

「…そうだな」

吸血鬼といえども、ルナは心優しい娘。

こう言うと彼女は怒るかもしれないが、やはりルナは戦いには向いていない。