ある朝。

まだ太陽が顔を覗かせた程度の時間に起き出した蒲公英は、台所で冷蔵庫の扉を開く。

中身を凝視する事、数秒。

チーン!

「ミートボール!ちくわの磯部揚げ!コールスロー!卵焼き!」

蒲公英は高らかにメニューを宣言する。

生まれながらに、献立スキルA++を持つ少女、蒲公英。

彼女は冷蔵庫の食材を一目見ただけで、その日の弁当から朝食から夕食に至るまでのメニューを決められるという特殊技能を持つ。

「ご飯は鶏そぼろにしようかなあ、味が馴染んで昼休みには食べ頃だよねぇ」

言いながら、いそいそと材料を取り出す蒲公英。