ケータイ小説 野いちご

【完】『空を翔べないカナリアは』

VOL.1
〔4〕


貴慶の事務所と住居を兼ねたガレージハウスは、花月園の通り沿いにある。

シャッターを開けると黒いバイクがあらわれた。

どうやら。

仕事用のバイクは黄色で、プライベートは黒、と使い分けをしているようであった。

もともとはベーカリーの小麦粉の平屋の倉庫であったのを居抜きで借りて、その管理人室をリノベーションし、気ままに独り暮らしをしている。

家賃も三万ほどで、

──さながら鶴見ベースやね。

と他日語ったこともある。




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