ケータイ小説 野いちご

俺に頼れよ…

1.限界

今日も朝からチーム練習。
みんな事務所所属存続が懸かってて雰囲気も張り詰めてる。私も気が気じゃなかった。
そんなこと気にしてる暇もなく夕方までひたすら練習した。時間が経つほどに疲れと焦りでみんなの顔は曇って行く。なんとか今日の課題をこなして練習は終了した。みんな疲れ切って部屋から出て行くけど…

私はそんな気になれなかった。
紛れていた心の葛藤がまた蘇ってくる。

自分が一番足を引っ張ってること。
期待値が高すぎること。
今回の挑戦に信頼と未来が懸かっていること。
苦しみを伝えられないもどかしさ。
迷惑をかけているという罪悪感。

越えるべき壁とはいえもう心は限界。
練習生になってからここにくるまで休まず走ってきた。辛いことがあってもみんな通ってきた道だといって休まなかった。いや、休めなかった。
家族にかけてきた迷惑と心配を考えると到底立ち止まれなかった。

今日に限って体が言うことを聞かない。
体がだるくて練習もまともに出来てなかったし、気持ちも重苦しかった。
立っていられなくなって座り込んだ。
そして、力が入らなくなって崩れるように横になった。自分が惨めになってくる。
「 …何してんだろ」
素直な気持ちだった。
あと3日で本番なのに。
誰も気づいてくれずに1人で倒れてるなんて。

ガチャッ…
練習室に誰か入ってきた。
「セノ。」
ジュソクが歩み寄ってきてくれた。
やけに落ち着いた歩き方。
私が具合悪いことに気づいていたみたい。

「 大丈夫?すごく苦しいか?」

ため息混じりの声が聞こえる。
哀れんだようなため息だった。

「… ジュソク…」

私はすがる思いで名前を呼んだ。
あぁ、私ったら本当みっともない。

「はぁ。 朝から具合悪かったんだろ。
なんで早く言わなかったんだよ。」

こんな時まで小言言っちゃって。
頭に響いてもっと具合悪くなるじゃん!
っていいたいけど喋る元気もなくなっちゃった。

「ダメだ、医務室の先生呼ぶからあとちょっと
我慢してろ。」

さすがに危ないと思ったみたい。
ちょっと焦り気味で電話してくれた、のかな?
そのまま意識を失ってしまった。

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