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「ねぇ、俺教科書わすれたから見せて!」



どうしても千愛希ちゃんと話したくて、わざと忘れ物をしてみた。



「はい」



さすがの千愛希ちゃんも俺のことを無視できないみたいで、机をくっつけて教科書を真ん中に置いてくれる。



「ありがと」



きっとこの子は、普段はすごくクールだけど本当は心の優しい子なんだろうなって思う。

あの時、みた笑顔は本当に綺麗だった。
心が綺麗だからあんなに綺麗に笑えるんだ。



〝次はスタジオにいつくるの?〟



と、彼女の教科書に書き込んでみる。



〝こんなとこに書かないで!人違いだって言ってる!〟


〝じゃあ、父さんに聞くからいいよ〟



おれの書いた文字にバッと顔を上げる。



「認める気になった?」



こそっと千愛希ちゃんに耳打ちする。



「……あれ」



耳打ちしてから、心臓がバクバクいってる。

……やばい。

俺……。

もしかして……。



「病気なんだろうか……」


「は?」



ぼそっと呟いた俺に怪訝な顔をする。