「ひ、ひどい……」



中間テストが終わり、返ってきた答案を見て青ざめる。
最近いろいろと環境が変わりすぎて勉強が疎かになっていたせいで、今までにない酷い点を取ってしまった。



「いつも程々の紗千が珍しいね」

「程々って……」




確かに、よくもなく悪くもない点数だけど。
菜穂に指摘されるほどだなんて。
でも、幸いにも赤点は何とか免れていた。

赤点なんかあった日には、あいつになんて言われるかわかったもんじゃない。
きっと幸子お嬢様と比べられて呆れられるだけならまだしも、馬鹿にされるに決まってる。
なんとしても、見られないようにしなくちゃ。



「なぁ、今日帰りさ、モック寄っていかね?」

「あ、行きたい!ポテトのクーポンがあったから使おうよ!」




菜穂たちが楽しそうに盛り上がる。
中間テストも終わって、いったん時間もできたし寄り道だってしたい。
でも……。