6月中旬、梅雨がひどくなってきたこの頃。

「雨、降ってきちゃったね」
「私、傘もってきてない。どうしよう」
「私の傘貸すよ」
「悪いよ、私すぐそこだし。りるが使いなよ」

せっかく貸してくれるのはありがたいけど、
りるが風邪引くのはやだし。
私はダッシュでかえればいいよね

「でも…」
「大丈夫だから、ね?」
「うん!でも風邪引かないでね」
「ありがとう!」
りるは申し訳なさそうに帰っていった。

りるは入学式に出会ってからずっと、私のことを心配
してくれる優しいお姉さんみたいな存在なんだよね。
いい友達をもったもんだ私は。

「さてと、ダッシュでかえりますか」
「なんでダッシュで帰るんですか?」

なんで井口くんがいるの?嘘!
やばいかっこいい。かっこよすぎます、井口くん!
鼻血がでちゃうよ~。

「ねぇ聞いてるの?間宮さん」
「へ?あっ、ごめん。あまりにも井口くんがかっこよすぎ
たから‥えッ?」
「ばかなの?きみは」
「ばかじゃないけど、それより井口くん、私の名前知ってて
くれてたんだ。うれしいO(≧∇≦)o
ありがとう(^人^)」
「いや、そりゃ何回も好きだよって言われたら嫌でも
名前くらいは覚えるでしょ」