あたしは真っ青になって幸弘を見上げた。


幸弘に体当たりされた体が痛むけれど、そんなこと気にしてる余裕はなかった。


誰も戻ってこない内に終わらせるつもりだったのに、一番バレたくない相手にバレてしまった。


その事実の方がよっぽど痛かった。


「おーい。どうしたんだよ幸弘!」


森の中からそんな声が聞こえて来て、和希と創吾が姿が見せた。


あたしは咄嗟に立ち上がり、何でもない風を装った。


「……なんでもない」


あたしに向けてキツイ視線を向けた幸弘は2人へ向けてそう言い、あたしから離れて行ってしまったのだった。