辿りついたのは森の中だった。


舗装された道は途中で途切れているけれど、歩けば更に奥へ進んでくことができそうだ。


「ここか?」


車を下りて創吾へ向けて聞く。


「あぁ。ここでも人は来ないだろうけれど、念のために奥まで行こう。1時間ほど歩くことになると思う」


森は薄暗く、夕焼けの空は見えなかった。


鳥が遠くの方で鳴いてるけれど、もう住処に帰って行っているようだった。


ここから1時間歩いた場所はきっともっと暗く、陰湿な場所だろう。


それでも、儀式のためには行くしかない。


「乃愛の体は男子たちで交代で運ぼう。食料品は女子が頼む」