創吾の話がすべて本物だと思ったワケじゃない。


ただの都市伝説だと思っている部分もあった。


だけど、目の前に横たわっている乃愛を見ていると、どうしても死んでいるようには見えなかったんだ。


死者が蘇る?


そんなことあるわけがない。


そう思うと同時に、どうしてそんなことが言い切れるのだと、心の中で疑問が生まれた。


人は死んだら終わりだ。


この世から消えてなくなってしまう。


だけど本当にそうなのか?


死者は自分たちの知らない街で暮らしているかもしれないじゃないか。


自分たちから遠く離れた場所で、その魂が蘇っているかもしれないじゃないか。


そんなの、誰にも否定できない可能性だった。


俺たちの知らない街、知らない世界が存在している限り、そこが死者の魂の行き所になっているかもしれないのだ。