「ふ、冬室くん……!」


ぐったりと目を閉じた冬室くんのそばに座り込み、必死に彼の名前を呼ぶ。

冬室くんは全く反応しない。

顔が紙のように真っ白で、まるで人形のように見えてゾッとした。


「冬室くん!冬室くん!……ねえ、冬室くん!!」


何度も何度も彼の名を叫ぶ。

周りの人が、私の剣幕に少し引いているのが感じられたが、そんなこと気にならなかった。


今は、冬室くんがすべて。


「……冬室くん、ふ、冬室くん……冬室くん……!」


呼び声に涙が混じっていくのがわかる。

冬室くんの姿がぼやけて見える。

いつも優しく笑いかけてくれた冬室くんが、今は少しも表情を変えない。

ただ、眠るように目を閉じている。


「……ふ、冬……むろく………っ」


どうしよう。どうしよう。

もし、このまま冬室くんが目を開けなかったら

私に笑いかけてくれなかったら


私は………