「……うーん。完結しても、こんなものかあ……」


時計は夜の10時を回ったところ。

私は自分の部屋でベッドに寝転がり、スマホの画面に釘付けだ。


…昨日の夜、約1か月かけて書いた小説が完結した。


反応はまずまず。悪くはないと思う。

自分で言うのもなんだけど、結構よく書けていた……気がする。

でもランキングにも入ってないし…。

いつも読んでくれている何人かからは、イイネやコメントがついているけど、それほど多くはない。


「……ん~~~~~」


どうしてもランキングに入りたいわけじゃない。

こうしていつも読んでくれている人がいるだけで、すごく嬉しい。

……でも。


「…私の小説、面白くないのかな…」


ぽろりとこぼれる不安。


「結構頑張って書いてるんだけどな」


そして、不満。


「……う~~~ん」


いつも読んでくれている人がいるだけで、すごく嬉しい。

それは嘘じゃない。

私にとって小説はコミュニケーションみたいなもので

別にプロになりたいと思っているわけじゃない。

だから、それほど読者は多くなくったっていい……はずだけど。


「………」

ランキング1位の小説に目を通す。

そこにはたくさんのコメント。

小説を絶賛するものや、作者へのラブコール。

ときおり中傷めいたものもあるが、それを怒り、作者をかばうもの。

とにかく、様々感情がその小説を中心にうずまいているのがわかる。